自民党の「インターネット選挙に関するプロジェクトチーム(PT)」は、選挙運動でのインターネット使用を可能にする公職選挙法・改正法案の提出を決めた。これから各党との協議に入る。
現在、ツイッター、メール、フェイスブック、ブログで街宣日程や政策などを告知することは公職選挙法で禁じられている。
選挙期間中は毎夕、陣営に電話をかけ候補者の翌日のスケジュールを聞かねばならなかった。毎夕なのである。大メディアには陣営からFAXが届くのだろうが、フリー記者なんぞには構ってくれない。電話口での対応も冷ややかだ。
日程をネット上に載せることが何故法律違反となるのか? 選挙の度に腹立たしい思いをしていた。資金力に乏しく数少ないスタッフで選挙事務所を運営せねばならない無所属候補も同様に不便を感じていたことだろう。
「インターネット選挙運動」の解禁は、過去に2度チャンスがあった。1度目は2009年の政権交代前。自民党の改革派議員と民主党議員たちが国会提出を目指した。
だが守旧派と言われるベテラン政治家たちの反対で潰れた。今度の安倍政権で入閣した自民党議員から聞いた話だ。改革派のある議員も同様のことを明かしてくれた。
2度目は民主党政権下だった。自民党が議員立法で提案していた。今度は民主党がたなざらしにした。政権を握ると選挙制度をいじるのが、おっくうになるのだろうか。
3度目の挑戦となる今回、たまたま安倍晋三首相がフェイスブック・オタクだったため、自民党政権はインターネット選挙の解禁に強い意欲を示しているのだ。
今夕のPT会合でも逢沢一郎・政治制度改革実行本部長が「自民党は変わったということを示すためにもインターネット(の使用を禁止している公職)選挙(法)の改正を実現させましょう」と力を込めた。
解禁されれば、候補者の街宣スケジュールや政策などをウェブ上で告知することが可能になる。PTの平井卓也座長によれば「自民党案では政党に限ってバナー広告も認める」とした。「選挙用文書図画の頒布はツイッターのハンドルネームも可」とすることも併せて明らかにした。
海外諸国では当たり前のインターネット選挙運動がやっと解禁になる。歓迎して然るべきことであるのに、内心面白くない勢力がいる。「言論の自由」「国民の知る権利」を盾に情報を独占する記者クラブメディア(新聞・テレビ)だ。
~つづく~