党内最大勢力を率いる前幹事長と現首相の白熱した戦いが続く民主党代表選挙。菅、小沢の両候補は告示後初のウィークエンドとなった4日、東京・新宿の街頭で国民に直接政策を訴えた。JR新宿駅西口は、炎天下にもかかわらず演説会の始まる1時間前(午後1時開始)から聴衆で埋まった。
国会議員票で劣勢が伝えられる菅氏は街頭演説に先立ち、近くのホテルで決起集会を開いた。支持者によれば菅氏は「西口で初出しする、その方が盛り上がる」としてホテルではサワリの部分しかスピーチしなかった、という。新聞、テレビが作り出す世論に頼るしか勝機が開けないところに菅氏の苦戦ぶりが現れている。
「もし投票権があったらどちらを支持するか?」筆者はできうる限り聴衆にインタビューした。
「菅氏支持。小沢さんは能力があるんだから菅さんを支えればいい。政治とカネは払拭できない」。(50代女性・茨城県在住)
「小沢氏支持。米国にものが言える。官僚も使いこなせる。何かやってくれそう。菅さんは軽い」。(60代男性・都内在住)
「小沢氏支持。剛腕に一度やらせてみたい。菅さんは何も仕事をしていない。小沢さんは実行力がある」。(70代男性・都内在住)
「小沢氏支持。テレビ番組で政策を聞き支持するようになった。政治とカネはひっかかるけどうまくやっていける気がする」。(50代女性・都内在住)
「菅氏支持。若い頃からのファン。もたもたしているので可愛そう。テレビ番組の討論では小沢さんに負けているのですぐに消す。総理になれただけでもいい」(70代女性・都内在住)
「小沢氏支持。決断力、能力、指導力がある。菅さんを持ち上げる新聞・テレビの世論調査はダメ」(70代男性・都内)
「小沢氏支持。未知数だが期待が持てる。やり過ぎて民主主義を破壊しないように」。(30代男性・山口県から出張で)
「小沢コール」が幾度かあがった。「仕込み」ではないかと手拍子で声をあげている女性(50代)に確認した。北海道から来たという女性(50代)は、「京王デパートに寄ったらたまたま演説会が行われていた」と話す。「どちらを支持するのか随分と考えた結果、小沢氏支持。小沢さんは確かに古い。だが古いがゆえの良さと強さがある」。
記者クラブ・メディアによる世論調査では「菅氏が首相にふさわしい」との答えが7~8割を占める。だが、筆者が街頭で聞く限りそのような傾向は微塵もなかった。大手メディアの世論調査が自らに都合がいいように設定されていることが分かる。
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