極右大臣「パレスチナ人の住む所はなくなる」が現実になってきた

極右のベングビール国家治安相が民族浄化を狙う東エルサレムのシルワン地区。パレスチナ人約100人が暮らす集合住宅は昨年12月に取り壊された。こうしてイスラエルに登記される。=2023年2月、西岸 撮影:田中龍作=

すべての国家活動はパレスチナ人の土地を収奪するためにある。それがイスラエルという国だ。

2002年のことだった。イスラエル固有の領土と西岸との間に突如として分離壁なるものが登場した。ヤバイ。理屈抜きで危機感を覚えた田中はすぐにイスラエル‐パレスチナに飛んだ。

分離壁建設の名目は西岸からのテロを防ぐためとされていた。実際「第2次インティファーダ」(2001年9月)が始まっていて壁のそばのユダヤ人住宅には土嚢が積まれていた。

ここからイスラエルが本領を発揮する。分離壁はパレスチナの村を東西あるいは南北に二分するようになったのだ。エルサレムに近い側半分を勝手に自国の領土としてしまうのである。パレスチナ住民は追い出される。もちろん国際法違反だ。

パレスチナ住民から強奪した土地はユダヤ人入植地となる。=2023年1月、西岸 撮影:田中龍作=

これで収まるイスラエルではない。残る半分は一戸一戸、収奪していくのだ。

エルサレム近郊の村で田中は立ち会った。手口はこうだ―

まず家屋を壊させる。それもパレスチナ住民の負担で。イスラエル兵が突然やって来て「72時間以内に壊せ」と告げる。

壊さなければイスラエル軍が業者を連れてやってきて壊す。料金はパレスチナ住民持ちとなる。

家屋を破壊した後の土地はイスラエル軍が取り上げる。

自宅を壊さなければならなかった女性は悲嘆に暮れていた。土地もイスラエルに収奪される。=2018年、西岸 撮影:田中龍作=

2022年12月、イスラエルに極右政権が誕生すると、土地の収奪は苛烈を極めるようになった。この時も田中はすぐにイスラエル‐パレスチナに飛んだ。

西岸では東エルサレムを中心に家屋の破壊が急ピッチで進んでいた。それ以上に驚いたのはパレスチナ住民が手当たりしだいに撃ち殺されていた。石も持たず道を歩いていただけの少年が射殺されたりした。

すべての少年に共通するのは綺麗に額を撃ち抜かれていることだ。射撃の練習をしているのだろうか。

スモトリッチ財務相が入植地拡大の予算をつけ、ベングビール国家治安相が武力を用いて、パレスチナ住民から土地を収奪する。

2人とも狂信的な極右だ。

最激戦地ジェニンのパレスチナ難民キャンプは徹底的に破壊されていた。難民が再び難民となるのである。=2025年2月、西岸 撮影:田中龍作=

入植地は極右政治家の金城湯池である。入植地を増やせば増やすほどイスラエルという国は、パレスチナに対して容赦なくなる。

ベングビール国家治安相が「西岸にパレスチナ人の住む所はなくなる」と豪語しているが、いずれ現実となるだろう。

~終わり~

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パレスチナ(ガザ・西岸)