
ガザ侵攻前年末、聖誕教会のXmasツリー。戦乱に翻弄されてきた。=2022年12月、西岸ベツレヘム 撮影:田中龍作=
キリストが生まれたとされる西岸ベツレヘムの聖誕教会―
3年ぶりに、Xmasツリーに電飾が灯った。ガザ戦争が23年10月に勃発して以来、自粛していた。いつわりとはいえ、停戦のおかげだ。
世界中のクリスチャンが礼拝に訪れる聖誕教会は、絶えず戦乱に翻弄されてきた。
2002年、イスラエル軍はパレスチナ武装勢力と市民をここに追い詰めた。彼らが立て籠もったため、イスラエル軍は38~39日間にわたって包囲した。
パレスチナ側が投降しなければ爆破することも作戦のひとつにあった。聖誕教会を、である。
イスラエルは世界中のクリスチャンが激怒しても、屁とも思わないだろう。
ヨーロッパ諸国の仲介で武装勢力は聖誕教会を脱出、亡命した。

「聖誕教会の地」と言えば、ロマンチックに響く。だがパレスチナ住民はイスラエルが勝手に作った壁に囲い込まれて暮らす。=2022年12月、西岸ベツレヘム 撮影:田中龍作=
イスラム教スンニ派のアラファト議長でさえ聖誕教会には敬意を払い、Xmasイブの礼拝は欠かさなかった。だが晩年はイスラエルが実力で参加させなかった。
2022年末、田中はイスラエルに極右政権が登場するが早いか、パレススチナに急行した。本記事中の写真はその取材行で撮影した。
先制攻撃はハマス側だったとはいえ、極右政権は待ってましたとばかりにガザ戦争に突入したのである。
停戦は未来永劫に続いてほしい。
来年も再来年もその翌年も・・・Xmasツリーに電飾が灯ることを願う。
~終わり~
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