ガザの子供は一様に小さい。9歳くらいかなと思って「9歳?」と尋ねると「いや12歳」という答えが返ってくる。
イスラエルによる封鎖もあって子供たちの多くが慢性的な栄養失調にある。それに加えて今度は伝染病のポリオ(小児マヒ)が襲ってきた。
すでに感染している子供も確認されている。ポリオは手、足、脳に後遺症が残る恐ろしい伝染病だ。
ポリオワクチン接種のための停戦がスタートするのに合わせるようにして、イスラエル軍はウエストバンクでの軍事作戦を本格化させた。BBCの映像で見る限り難民キャンプの破壊具合がガザに似てきた。
昨年10月7日(ガザ侵攻)以降、ウエストバンクではこれまでに約600人のパレスチナ人がイスラエル軍(及び国境警備隊)によって撃ち殺されるなどしている。1日2人平均だった。しかしここにきて連日大量に殺害されるようになった。
悲劇は尽きない。イスラエル軍はガザで人質6人の遺体を発見、回収した(日本時間1日)。家族は一縷の望みを託していたが、それも絶たれた。
ガザが本格停戦したら、イスラエル軍はウエストバンクでの軍事作戦をさらに激化させるだろう。ガザの兵力を回せるのだから。
圧倒的な軍事力の差はテロを産む。911テロ(2001年)が格好の例だ。惨劇に見舞われぬうちに、イスラエルはどこかで手を緩める必要がある。
~終わり~
◇
『田中龍作ジャーナル』は他メディアが報道しない世界の冷厳な事実を伝えます。
取材費が圧倒的に不足しております。ご支援何とぞ御願い申し上げるしだいです。