行政の狂気と愚かしさがそこにあった。
横浜市は花博のために上瀬谷の桜並木(180本)を伐採する。花のために花を殺す。
これほどの矛盾があるだろうか。たった半年(2027年3月~9月)のイベントのために樹齢50年の大木を切り倒すのである。
桜並木伐採の大義名分は道路の拡幅だ。米軍基地の返還に伴う上瀬谷地区の再開発が背景にある。
横浜市は再開発エリア(242ヘクタール)を南北に貫く環状4号線を現在の2車線から4車線に拡幅する計画である。
横浜市は具体的に「某月某日に伐採する」とは言わないが、今秋にも伐採するものと見られる。
横浜市の工事説明会資料には「環状4号線の東側にバイパス道路を整備し令和6年(2024年)秋ごろ交通を切り替える予定」と書かれている。
昨年6月23日に開催された横浜市都市計画審議会でも、上瀬谷整備推進課(当時)の西岡課長が「グリーンエキスポ 2027(花博) に合わせて、(桜を)植え替えして再生していこうと考えているところでございます」と述べているのだ。
上瀬谷は大都市ヨコハマにあって手つかずの自然が残る。オオタカやノスリが飛来し、ヒバリやウグイスのさえずりが絶えない。
すでに建設が進む花博会場(100ヘクタール)では、柿畑が無残な姿を晒していた。柿の木が根こそぎブルドーザで倒されているのだ。畑にはキャタピラーの跡が禍々しく残っていた。
かつて雑木林だった辺りは切り株だらけとなっていた。戦争で爆撃されてもこうはならない。
あえて言うまでもないことだが、自然は一度壊されると取り返しがつかない。生態系が破壊されるからだ。
わずか半年のイベントのため、再開発のため、冷却効果に絶大な効果のある樹木を大量伐採する愚かしさは、狂気という他ない。
~終わり~
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《読者の皆様》
昨年末から借金が続いております。赤字に次ぐ赤字です。