♪ 誰かが悲嘆(なげ)いてた
美しい杜が消滅(き)えるのを ♪
世論の反対がなかったら、すでに伐採が始まっていたかもしれない神宮外苑の森。
坂本龍一さんに続き、サザンオールスターズの桑田佳祐さんも伐採反対を表明した。桑田さんはその思いを自らが作詞作曲した『Relay~杜の詩』に託した。
都心のオアシスを破壊するな。伐採に反対する人々50人余りが新宿区役所前で『杜の詩』を合唱した。
外苑の再開発を許可したのが東京都で、御神木ともいえる樹木の伐採を許可したのが新宿区だからだ。
合唱を呼びかけたのは「未来の子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会」の大澤暁氏。
地元住民や学識経験者が、新宿区を相手どって伐採許可の取り消しを求める行政訴訟を起こした(7月25日、東京地裁に提訴)。大澤氏は原告団長でもある。
訴状などによれば―
新宿区は東京都の要請に応じるかたちで、神宮外苑の規制をもっとも厳しい風致地区A、Bから、伐採が容易に認められるS地区に「こっそり」変更したのである。2020年春ごろのことである。
重大な変更が明らかになったのは、今年(2023年)2月、新宿区議会予算委員会で、だ。
神宮外苑近くに住む大澤氏は「外苑の森が伐採されれば、子どもたちは遊び場を失う。環境も破壊される」と危機感を示す。
『杜の詩』の合唱を終えると、氏は開発業者から出されている新たな伐採申請を許可しないよう求める要請書を新宿区の吉住健一区長に提出した。区長は公務を理由に現れず、代わりに秘書課の職員が受け取った。
♪地球が病んで未来を憂う時代に
身近な場所で何が起こってるんだ?♪
桑田さんは地球規模で起きている環境破壊を憂慮し、「みんなもっと関心を持とうよ」と呼びかける。
神田のイチョウ並木は地元住民たちが体を張って守っている。環境に関心を持って行動すれば伐採を止めることは可能なのだ。
~終わり~
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