ユダヤ教徒の盛装をした男性とへジャブの女性がすれ違う。ここはユダヤ教徒とイスラム教徒が混在する古都東エルサレムだ。
密接しているだけに、ユダヤ民族とアラブ民族の憎しみのボルテージはあがる。
ウエストバンク(ヨルダン川西岸)と入植地のように、面としてアラブ民族とユダヤ民族の居住地域が別々にあるわけではない。
両民族は4次にわたって全面戦争を戦い、今なお流血の衝突を続ける。東エルサレムでは先月27日にもシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)でアラブ人が銃を乱射しユダヤ教徒7人を殺害する事件が起きたばかりだ。
東エルサレムは「アラブ人に死を」と叫ぶベングビール国家治安相がナクバという名の民族浄化を掛けたがっているエリアのひとつである。
狂信的右派の政治家は面として取ってしまいたいのだ。
対日感情の良くない異民族は海を隔てているとはいえ隣人である。自らが敵視されていることに切迫感を覚えない能天気な国家は危うい。
~終わり~
◇
読者の皆様。
田中龍作が紛争地で直接見たこと聞いたことを記事にしています。世界でたった ひとつ しかない情報です。
紛争地取材はガイドへの危険手当などで費用がかさみます。
皆様のお力で取材を続けさせて下さい。何とぞ御願い申し上げます。
↓