イスラエル軍の砲撃で破壊されたムガッティさん宅。＝4日、アクバット・ジャバール難民キャンプ（ジェリコ） 撮影：田中龍作＝
4日あさ6時30分頃、イスラエル軍がジェリコのパレスチナ難民キャンプを急襲した。
攻撃されたのはアガット・ムガッティさん宅。家人13人（アラブ人は大家族制）が負傷、死者はいなかった。
鉄筋二階建ての家は、壁がスッポリと崩壊していた。隣人は「イスラエル軍は肩掛けのロケット砲で砲弾を撃ち込んだ」とジェスチャーを交えて語った。
イスラエル軍はムガッティさんが銃弾を隠し持っているとの内偵情報を得て急襲したようだ。あくまでもイスラエル総保安庁（シンベット）の情報である。真偽は不明だ。
難民キャンプ入口は幾重にも古タイヤを燃やすなどして「砦」を築き、イスラエル軍の増派を食い止めようとした跡があった。
パレスチナ住民が古タイヤを燃やして幾重にも防衛線を築いた跡。＝4日、アクバット・ジャバール難民キャンプ（ジェリコ） 撮影：田中龍作＝
イスラエル軍は難民キャンプ周辺を封鎖した。入るのはお構いなしだが、出るのは許可しない。袋のネズミ状態に置いたのである。
道路を塞いでいるイスラエル兵に聞くと、「お尋ね者を探している」と答えた。明らかにウソである。ドライバーの人物改めをしているのでもない。車の中や積み荷を調べているのでもなかった。
田中が日本のジャーナリストであることを証明すると、あっさりと通してくれた。
けさの急襲は、これまで拙ジャーナルでリポートしてきたようなアラブ人の追い出しではない。抵抗の封じ込めである。
パレスチナ住民は二重の苦しみを背負わされている。
道路封鎖するイスラエル軍。＝4日、ジェリコ 撮影：田中龍作＝
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