「期待した方が愚かだった」と言えばパレスチナの民に失礼になる。イスラエルの刑務所に長期収監され、事実上の獄中死を遂げたファタハ№2のナセル・アブ・ハミド氏。
氏の遺体がイスラエル側から返されるのを、田中はパレスチナ赤新月社(赤十字)で人々と共に待った。
だがイスラエル国防相は「遺体は返さない」とパレスチナ側に通告してきた。
イスラエルが返していないパレスチナ人の遺体はこれで117体となる。冷凍保存である。
内訳は15人が獄中死。102人が衝突での死亡である。
イスラエルはなぜ遺体を返さないのだろうか。敬虔なはずの彼らが不思議である。遺体に拷問の跡でもあるのだろうか。
ハミド氏は2次にわたるインティファーダでイスラエル軍兵士を射殺したなどとして無期懲役の判決を受け、計25年間収監されていた。人生(享年51歳)の半分を獄中で過ごしたことになる。
ファタハ№1のバルグーティ氏は殺人などの罪を着せられて無期懲役の判決を受け、現在、服役中である。
バルグーティ氏もアブ・ハミド氏同様「政治犯」である。獄中死しても遺体は返ってこないだろう。
~終わり~