ウクライナから見る台湾侵攻と日本の防衛

小さな島の大きなレーダー。米軍とデータがリンクする自衛隊のレーダーは格好の攻撃目標となる。=2017年、宮古島 撮影:田中龍作=

 「今さら」の感はあるが波紋は大きい。中国共産党の習近平国家主席が党大会で台湾統一をめぐり「武力行使を決して放棄しない」と明言したのである。16日のことだ。

 日本政府が巡航ミサイル・トマホークの導入を米政府に打診しているという。「敵基地ナンチャラ」と勇み立つ先生たちに けしかけられた のか。

 トマホークがあれば中国の軍事力に勝てると思っている辺りがおめでたい。(田中は軍備を増強しろと言っているのではない)

 中国は侵攻と同時に、まず沖縄の米軍基地や自衛隊のレーダーサイトを叩くだろう。制空権を確保するのは軍事の常道だ。

 日本政府は沖縄を守る方法を真剣に考えるべきである。どうしたら高い確度で中国のミサイルを迎撃できるか。

 トマホークを買う金があったら防空システムを充実させた方がいい。ウクライナは欧米からの援助もあって防空網を充実させている。

 キーウ市に限っていえば、10月18日以降、ほぼ完ぺきに迎撃できている。沖縄を守るうえで参考になるだろう。

日本人の多くは兵器というだけで拒否反応を起こす。だが高射砲は侵入、攻撃してくる飛行物体を迎撃する。我々の生命・財産を守る自衛のための兵器である。=2月、キーウ市内 撮影:田中龍作=

 諜報活動はさらに大事になってくる。中国人民解放軍の動向を一早くつかめば、いち早く守りの態勢を固めることができる。

 諜報活動により撃たせないようにすることも、場合によっては可能だ。これまで中国にやられっ放しだった要人への●●●トラップを日本側から仕掛けるくらいの度量も必要になってくる。

 国際政治は非情だ。相手は常識の通用しない独裁政権である。攻撃される可能性があることを視野に入れて身を守る準備を進めておく必要がある。

 シェルターも備えた方がいい。ウクライナは地下鉄の駅や公共施設の地下がシェルターとなっている。キーウ市内だけでもその数4,500か所。

 もしシェルターが充実していなかったら、ウクライナの死傷者は何十倍、何百倍に上っていたことだろう。

シェルターは身を守るためになくてはならない施設だ。=8月、ザポリージャ州 撮影:田中龍作=

    《中国は沖縄を米国から解放してくれない》

 プロパガンダを警戒しなければならない。ロシアの顰(ひそみ)に倣えば、反米原理主義者たちが「中国は沖縄をアメリカから解放する」と流布してくるだろう。

 攻撃する側にしてみれば思うツボだ。相手が一枚岩でないのだから。

 ウクライナはゼレンスキー大統領を突き上げるくらいに「徹底抗戦」で世論が結束している。

 戦争にならないようにする。それに越したことはない。だが戦争は好むと好まざるとに拘わらず起きるのだ。懸命の外交を続けても、である。

 起きた場合に備えることが民の命と生活を守ることになる。

    ~終わり~

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

ウクライナ