れいわ新選組の山本太郎代表は、19日公示、31日投票の衆院選挙に「野党統一候補」として東京8区から立つ。きょう8日夕方、記者会見して明らかにした。8区は自民党の大物、石原伸晃の金城湯池だ。
8区に決まった理由を山本は「野党間の調整の結果」と明かした。「小選挙区で選挙戦を戦った経験はここしかない」とも語った。
山本の立候補に地元杉並区民の反応は複雑だ。地元野党議員は「これまで伸晃を本気で倒そうとして来なかった人たちが、いまさら山本太郎?ふざけるな」と厳しい。
この野党議員は、山本にではなく立憲に怒っているのだ。「田中良区長は民主党(立憲の前身)出身だけど中味は自民党」というのは杉並の常識である。立憲の区議会議員たちのほとんどは自民党と共に田中区長を支える。田中区長は石原と昵懇だ。
野党共闘ということで党本部から指示が出ても地元の立憲議員たちが山本のために動くとは考えにくい。むしろ陰では石原のために票を集めるだろう。石原陣営が危機感を持てば持つほどこの傾向は強くなる。
元祖「太郎(選挙)ボラ」にして杉並区民の男性は、「太郎ちゃんの出馬で風が吹けば大きいけど失うものも大きい」と分析する。
山本の出馬により立憲は吉田はるみ候補予定者を降ろすことになる。吉田は前回(2017年)の衆院選挙で7万6,283票を獲得した。山本太郎が2012年に同じく8区で戦った時は7万1,028票。吉田の方が5千票も多く得票しているのである。
山本が勝てば野党共闘が石原王国を倒したことになるが、負ければ「野党共闘って何だったの?」ということになる。(文中敬称略)
~終わり~