今年5月末から5か月余りで1万人余りの学生や若者が食料支援を受けた。支援活動を行った日本民主青年同盟のまとめで明らかになった。
食料支援は32都道府県の103ヶ所で296回行われ、1万113人が利用した(11月4日現在)。
田中は学生の街、高田馬場であった食料支援の現場を取材した。開始間もない6月初旬のことだ。
高田馬場駅前ロータリーに張られたテントには、米、即席うどん、缶詰、レトルト食品、インスタント味噌汁などが所狭しと並べられていた。
募金を集めて購入したり、農家などから寄付してもらった食料だ。
開始予告時刻を待つように次々と学生が訪れた。
一番乗りだった早稲田大学の学生(3年生)は「冷蔵庫の中は水だけ」という。「アルバイトのシフトがめっきり減り、家賃を払うと食費がなくなる」と話した。
韓国の留学生は「父親の経営する会社がコロナの影響で潰れたため、仕送りがなくなった」という。
用意した食料は次から次へと はけて いった。
民青同盟が神奈川県内で行ったアンケート調査によると、1日の食費が300円以下の学生が、回答者全体の15.5%を占めた。
300円で買えるものと言えばカップヌードルとオニギリ1個ずつくらいだ。これで一日、どうやって生きていけというのか。
学生は食べて行けないのである。
余力のある人が、困窮している人に救いの手を差し伸べる。明らかに『共助』だ。
政府の支援『公助』はあまりに心もとない。遅れに遅れて届いた特定給付金は、銀行の口座に入ると、大学の授業料で引き落とされる。食費に充てることなどできないのだ。
コロナの影響でアルバイト先が満足にない。知人の学生は家庭教師のアルバイトをすべて失ってしまった。
スガ首相は『自助』を唱えるが、学生はそれをしようにもできないのだ。子供たちも同様だ。
若い世代が絶望するしかない国に未来はない。
~終わり~