あす5日午前零時をもって日本の緊急事態条項によく似た「緊急法」の一環として覆面禁止法が施行される。林鄭行政長官が今しがた記者会見し明らかにした。
マスクを禁止すればデモに参加しづらくなり、反政府デモは鎮静化する…香港政界を牛耳る親中派の意向を受けての覆面法施行だ。
違反者は禁固または2万5千香港ドル(34~35万円)の罰金となる。
行政長官発表直前の中環を取材した。中環は東京の大手町にあたる。
覆面法に反対するビジネスマンや学生が、ランチアワーを利用して公園に集合し、大通りをデモ行進した。参加者は7千人はいただろう。
人々は片手をあげて5本指を広げ「5demands not 1 less」とシュプレヒコールをあげながらビジネス街を行進した。
「5大訴求のうち1つが欠けても我々は認めない」という意味だ。
覆面法の施行により事実上、緊急法が発動されたことになる。どこかの国の首相と同じく息をするようにウソをつく林鄭長官は記者会見で「非常事態ではない」として、緊急法の発動を否定してみせたが、説得力はない。デモ鎮圧の名目でマスクをかける個人の自由が制限されたのだから。
緊急法は令状なしの家宅捜索や国外渡航の禁止など個人の人権を大きく制限する。議会を通さずに政府の都合で法律を制定できる。
自民党改憲草案にある緊急事態条項とよく似ているのだ。
法治国家の概念を持たない中国が支配する香港での「緊急法」発動。人権なんぞ木の葉ほども顧みられなくなるのは必定だ。
「法治国家ではない」・・・日本と同じである。どうすればスムーズに人権を制限できるか。安倍政権は香港情勢を凝視しているはずだ。
~終わり~