菅直人首相の退陣を求める声は街頭にまで広がった。市民400人が20日、都心でデモ行進したのである。主催は「権力とマスコミの横暴をただし人権を守る国民の会」。「検察審査会問題」を糾弾し「記者クラブの解体」を訴えている会だ。デモはこの日で6回目となる。
「菅首相退陣」を唱えるのは、菅政権誕生の経緯が「検察・記者クラブ」と密接不可分だからだ。首相選びともなる昨年9月の民主党代表選挙で菅氏を勝利に導いたのは、無理筋を承知で小沢氏立件に突き進んだ検察と「反小沢キャンペーン」に血道をあげた記者クラブメディアである。
埼玉県春日部市から駆けつけた主婦(50代)は「次の世代を考えた時、日本が心配だから」とデモに参加した理由を語る。「冤罪はひどい。マスコミもひどい」と眉をしかめた。彼女はおかしな報道があった時はテレビ局や新聞社に電話を入れ、その内容をチラシにして地域で配る。
『命がけで応援した政権交代だったのに』と書いた手製のプラカードを持つのは、常連の女性だ(70代・女性=草加市在住)。
彼女は「永田ガセメール事件」を受けた衆院千葉7区補欠選挙(06年4月)から、私財を投げ打ち体力の限り民主党の選挙を応援してきた。そのため病気になったほどだ。「菅政権の体たらくは許せない」と歯噛みする。
「菅政権は退陣せよ。マスコミに騙されるな。若者よ目覚めろ」。若者で賑わう原宿にシュプレヒコールが響いた。
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