一握りの金持ちのために人々は奴隷となって働く。新自由主義に毒されたフランスを象徴するような労働争議が今、パリで起きている。
超高級ホテルの代名詞ともいえるハイアットホテル。とりわけパリの「パーク・ハイアット・パリ・ヴァンドーム」という舌を噛みそうな名のハイアットホテルは、オペラ座のすぐ近くで、周辺には世界を代表するブランドショップや宝石店がひしめく。
ホテルの宿泊料金を見て、田中は腰を抜かした。最高級のインペリアルスイートは一泊141万円、安い部屋(ツイン)でも10万円を超える。
一方でホテルのルームメイドなど下請け労働者の収入は最低賃金(1,100ユーロ=14万円余)スレスレだ。
ここで15年間、ルームメイドとして働く女性に話を聞いた。彼女は「手取り1,300ユーロ、家賃を払い、学校に行く子供3人を養うと生活してゆけない」と肩をすぼめた。
パリ・ハイアットホテルで働く下請け労働者たちが中心になって起こした労働争議は9月25日から始まり、今なお続く。日曜をのぞく毎日午前10時から午後3時まで、ホテルの玄関前で集会を開くのである。要求は「賃金を上げろ」「直接雇用せよ」だ。
労働総同盟の支援を得た抗議活動はエネルギッシュだ。打楽器とシュプレヒコールが界隈に鳴り響く。この時間帯になると、名門ホテルといえども玄関を閉じざるを得ない。
パリきっての金ピカ通りに「ハイアットは賃金上げろ」の叫びが、ドラムのリズムに乗って、毎日5時間も響き渡るのだ。名門ホテルの労働争議は人々に知られるまでになり、メディアも取り上げるようになった。
根負けした格好のハイアットは、あす21日、労使交渉に応じる。パリ郊外のホリディ・インでも同様の労働争議が起きていたが、下請け労働者はつい先日、直接雇用を勝ち取った。
~終わり~
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フランスは日本と同じ社会事情になっています。金持ち優遇のマクロン政権と安倍政権が同じ政治手法を取っているからです。
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