森友学園の国有地払い下げ記録が改ざんされていた問題で、野党6党はきょうも財務省から聴取した。
追及の核心は昨日に引き続き「調書」の差し替えだった。辰巳孝太郎議員(共産)は「調書が我々が(国会で)受け取った物と違うのかを知りたい」と財務官僚に迫った。
農水官僚出身の舟山康江議員(民進)はさらに厳しく質した ―
「何かする時に間違っていないようにするのがチェック。調書だけにチェック(丸印)がついていない。誰かがチェックするんですよね。誰なのか確認して下さい・・・私も役人出身だから分かるが、不自然」。
森ゆうこ議員(自由)が畳みかけた。昨日、近畿財務局に踏み込んで入手した「調書」のコピーを見せて追及したのである。コピーは近畿財務局でとってもらった。
近畿財務局にあった「調書」は、文末にチェックの跡がある。森議員によれば「コピー前のチェックマークは青(色鉛筆)だった」。
「近畿財務局でもらったのはチェック(マーク)がある。国会議員に配られたのはチェック(マーク)がない」。森ゆうこ氏は迫った。
「我々が持っているのも同じ。作業過程で(チェックマークが)あったのかもしれない」。財務省理財局の井口裕之・国有財産企画課長は、いつものように口から出まかせの言い訳で、その場を繕った。
調書は国有地を森友学園に格安で払い下げた経緯を記したものだが、財務省は安倍首相とその周辺に都合の悪い部分を削除するなどして、国会に提出していた。
決裁文書のうち「調書部分」だけにチェックマークが入っていないことを、小西洋之議員(希望)が見抜き、きのうの聴取で財務官僚を追及した。小西議員は総務官僚出身だけに役所の事務作業に詳しい。
森ゆうこ議員によれば、昨日入手したのは、「改ざん前(before)の調書」ではない。いわば「バージョン2」だ。国会に提出されたのが「バージョン3」となる。
だが、エイズ、自衛隊日報、加計問題で政府が「ない」「破棄した」としていた文書は、ある日忽然と姿を現した。つい最近では厚労省の労働実態調査がそうだった。
森友学園への国有地叩き売りを記録した改ざん前の文書「バージョン1」が出てきたら、安倍政権は「万事休す」だ。
〜終わり~