民進党のホープと目されていた山尾しおり議員が、週刊誌の不倫報道により離党に追い込まれた。
SNS上に「山尾議員を守れ」との投稿はほとんど見かけない。「不倫は犯罪ではないのだから離党することはない」とする趣旨の投稿をたまに見かけるくらいだ。
彼女が7月の横浜市長選挙で現職の林文子市長の応援に入っていなかったら、人々の反応は180度違ったものになっていただろう。
藁にもすがる思いで学校給食を願う母親たちを尻目に、山尾議員は学校給食に否定的な林市長を応援したのだから。
彼女は昨春、「保育園落ちた、日本死ね」を取り上げ国会で安倍政権を追及し、一躍民主党(当時)のホープに躍り出た。子育てで苦労する母親たちの期待を一身に集めた。
それだけに横浜市長選挙での裏切りは、母親たちを落胆のどん底に突き落とした。ツイッターは山尾議員への怒りや批判の投稿で炎上した。
民進党だから連合が公認する現職の応援に入って当たり前。山尾氏は民進党議員として当然の務めと思い、一片の迷いもなかったのだろう。それが永田町の常識である。
マスコミも何ら問題にしなかった。民進党のホープがSNSで炎上中、と一行でも書いた社はなかった。
母親たちがなぜ自分に熱い期待を寄せたのか・・・山尾議員がその理由を真に理解していたら、週刊誌の好餌になるようなことはなかった。
夫がIT企業の社長で、自らは東京地検の検事。1円でも安い食品を求めてスーパーを行脚する主婦の感覚など知るべくもない。
庶民は毎日の暮らしに汲々としている。大病を患い働けなくなったら、一家は野たれ死ぬ。
民進党議員の大半は連合におんぶに抱っこだ。政治に対する人々の期待とあきらめなど理解できないだろう。
昨春、「保育園落ちた」をいち早く察知し、社会運動にまで持って行ったツイッター民は、今回の事件にこうコメントした ―
「民進党はポピュリズム政党なのに大衆の気持ちが まるで わかっていない」。
〜終わり~