フランス地方選挙(※)の第1回目の投票で右翼政党のNF(国民戦線)が、13選挙区のうち6選挙区で首位に立った。(※日本にたとえるなら、道州の議員を選ぶ統一地方選挙)
「右傾化」「右傾化」と日本のメディアは書き立てる。だが同じ右翼化でもアベ政権の右傾化よりは上等だ。
国民戦線のルペン党首は選挙期間中「移民をこれ以上入れるな」「(非合法)移民は追い返せ」と訴えてきた。
日本でも日章旗を掲げるグループが中国人や韓国朝鮮人の排斥を叫ぶ。
異民族排斥は極右の特徴だ。良識に照らし合わせれば、批判されて然るべきだ。
だがフランスの国民戦線とアベノウヨクは決定的に違う所がある。ルペン党首は「グローバリゼーションから労働を守る」と唱えているのだ。
アベ政権のように米金融資本に日本国民を差し出したりはしない。非正規労働者を激増させるようなことはしない。
労働政策はじめ「EUからの脱退」など国民戦線の政策は、伝統的な保守である。
パリ市民に聞いた―
「経済危機や難民問題があり、テロが起きた。国民はすごく不安に思っている。既存の大政党は問題解決の提案はしたが、公約を果たさなかった。
右派は企業や銀行と癒着して汚職を引き起こした。左派は公約に述べたような左翼らしい政治を行わなかった。
国民の間には大政党への不信感がある。そこで『FN(国民戦線)に入れてみよう』ということになったのではないか」(70代・女性)
自民党は「TPP反対」と選挙公約に掲げながら、経団連の利益に沿いTPP推進に邁進する。民主党は「コンクリートから人へ」と言いながら、庶民に寄り添う政治はしなかった。
日本とフランスの政治事情は似ていなくもないが、アメポチが保守を気取る日本よりは救いがある。
選挙は2回目で決まるため、まだ予断を許さない。13日の投票結果にフランス国民は固唾を飲む。
~終わり~
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テロ事件の“追い風”に乗って、右翼政党が地方議会の第1党に躍り出てきそうなため、投開票日の13日まで、田中はフランスにいます。借金はかさみますが、日本の今後を占うためにも見届けておかねばなりません。何卒ご支援お願い致します。↓