戦争への道すじがくっきりと見えてきた。自衛隊がいつでもどこへでも派遣されるようになる。
安倍政権は集団的自衛権を行使しやすいように法整備する。固まった法案の骨格をきょう、与党(自公)に提示した。
「戦争ができる国にしてはいけない」。政府が与党に新法制を提示した衆院第2会館の前には、危機感を抱く市民や野党議員が集まり、抗議の声をあげた。
法律の専門家でもある福島瑞穂議員は集団的自衛権の行使が憲法違反であることを強調しながら次のように話した―
「ホルムズ海峡も経済的なことも日本の存立に関係があれば、世界のどこでも(集団的自衛権を)行使できる。後方支援といえば聞こえはいいけれど、一緒に戦争することです。ドラえもんの『どこでもドア』を使ってどこでも戦争していく戦争法案です」。
『人を殺すな!戦争するな!』の横断幕を持つ女性(都内・60代主婦)は「(自分の)命をかけても止めたい」と悲壮だ。
「安倍首相は、子供が戦争で苦しんでいるのを伝えるためにシリアに行き殺された後藤さんの死を利用している。国民の努力で70年間、平和憲法を守った。安倍さんの趣味で戦争する国にしてはならない」。女性は切々と話した。
戦争に道を開く新安全保障法制の骨格は―
▼自衛隊が後方支援のために海外に出動する際には、そのつど特別措置法を設けなければならなかったが、新しい安全保障法制のもとでは、自衛隊の恒久派遣が可能になる。
▼自衛隊の出動範囲は現在「周辺」に限られているが、地理的制約をとっぱらう。
▼国連決議がなくても自衛権に基づき「テロとの戦い」を行う外国の軍隊を後方支援できる。
新しい安全保障法制とは、要は敵に砲弾を直接撃ち込むこと以外は、すべて可能なのである。
新安保法制は、4月の統一地方選挙が終わると国会に提出される。国会に提出されてしまえば、数の力で可決成立となるだろう。
千葉県柏市から足を運んだ男性(70代・年金生活者)は、それでもあきらめない。
「安倍がケシカランから来た。あきらめたらダメだ。私は生きている限り(戦争反対の)声をあげ続ける」。男性は悲しそうな目をしながらポツリ、ポツリと語った。