西村断念で流動化する立憲代表選の数合わせ

「(推薦人20人の確保まで)あと一歩の所に来ている」。吉田晴美は市民主催の街宣で支持を訴えた。=2日、杉並区 撮影:田中龍作=

人々が政治に夢を託さなくなったら、その国は暗黒の独裁国家と同じだ。自民党という政権与党が反社勢力により乗っ取られてしまい、この国は暗黒国家直前の所まで来ている。

せめて野党第一党の代表には自民党とはまったく違う政策を掲げる人物になって欲しい。そんな思いから田中は吉田晴美と江田憲司を推した。今も推している。

小沢一郎が野田佳彦の支援に回ることが判明し、失望が広がる。永田町に詳しい友人から「小沢は野田(支援)だよ」と早い時期から知らされていたが。

落胆する必要はない。小沢グループ(一清会=12人)が野田に付くことにより、菅直人グループ(国のかたち研究会=15人)は、吉田を支持しやすくなる。菅と小沢は不倶戴天の間柄で、その天敵がよそに行くのだ。(グループ人数:朝日新聞より)

符丁を合わせるように菅グループは、3日、西村智奈美の代表選擁立を断念したことを明らかにした。田中は立憲関係者から2日夕、西村が降りる可能性のあることを聞かされていた。西村自身が立候補に執着していないというのだ。

この関係者は併せて「西村が出ない場合、菅グループは吉田支持に回る可能性がある」ということも明らかにした。小沢グループより菅グループの方が若干人数が多い。

野田支持が濃厚だった小沢一郎は大方の予想通り動いた。=8月26日、衆院会館 撮影:田中龍作=

立憲の代表選に立候補するには、自民党にも勝る長老支配の象徴でもある推薦人20人の確保が必要だ。党所属の国会議員有志が2日、「推薦人20人のハードルを下げよ」との提言をした。

民主党時代の幹部がいまだに党を牛耳る守旧体制への不満は若手の間に根強い。

いい意味で若手が暴発すれば、代表選は夢を託せるものになる。(文中敬称略)

 ~終わり~

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