
戦車のそばに新着の砲弾があった。=2023年10月、ガザボーダー 撮影:田中龍作=
「プシュン」。ダンプカーのエアブレーキを鋭くしたような音と共に戦車から砲弾が発射される。
周囲の空気を圧縮するのだろう。取材車の窓ガラスがミシミシと音を立てた。
「ドカーン」あるいは「ドーン」というのは距離のある場所で聞く音だ。
戦車のそばには真新しい砲弾が積まれていた。米国製なのだろうか。定かではない。
はっきりしているのは撃てば撃つほど兵器メーカーが儲かるということだ。
陰謀論者のように「軍需産業を儲けさせるために戦争を仕掛ける」とは言いたくないが、結果として戦争が長引けば長引くほど、拡大すれば拡大するほど、メーカーが儲かる現実がある。
ガザ攻撃でウクライナに行く分の砲弾は減る。ウクライナ苦戦の原因のひとつである砲弾不足は、ガザ攻撃と無関係ではない。
「アメリカの砲弾は不正義だが、ロシアの砲弾は正義だ」などというつもりはサラサラない。
どちらの砲弾も無辜の人々を虐殺しているのだ。

少年は不発弾を足で転がして遊んでいた。日常の中に戦争があるのだ。=2014年、ガザ 撮影:田中龍作=
~終わり~
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パレスチナ→能登震災→柏崎原発→京都市長選挙と、昨年末から借金が続いております。赤字に次ぐ赤字です。