パレスチナを救うためにジャーナリストができること

パレスチナ武装勢力の攻撃を受け立ち往生するイスラエル軍車両。=12日、西岸ジェニン 撮影:田中龍作=

 前後左右から轟いてくる銃声と砲声が耳をつんざく。すでに何人もの武装勢力を対人ミサイルで殺害したドローンが、不気味なプロペラ音を響かせて低空飛行する。

 市街戦取材では戦域のほぼ真ん中にジャーナリストがすっぽり入ってしまうことがある。真ん中に入らないことには最大の焦点を見届けられないからだ。

 イスラエルが神経を尖らす西岸の最激戦地ジェニンでは12日から数日間にわたって苛烈な市街戦が続いた。公立病院をめぐる攻防が最大の焦点だった。

 田中がそう言えるのは、パレスチナのジャーナリストたちと共にこの苛烈な攻防を取材していたからだ。フランス、マレーシア、エジプトの記者たちも一団の中にいた。

各国のジャーナリストたちはイスラエル軍が包囲する公立病院近くで待機しながら取材チャンスを待った。=12日、西岸ジェニン 撮影:田中龍作=

 目の前を幾度もイスラエル軍の車両が行き来した。イスラエル軍車両は報道陣の前を通過する際、砲弾を発射してきた。「ドーン」。鼓膜が破れるような轟音だ。

 パレスチナのジャーナリストたちだけだったら、まず間違いなく砲弾は命中していただろう。

 彼らは外国人ジャーナリストを歓迎する。満面に笑みを受かべながら「どこの国から来たの?」と尋ねてくる。危険な目に遭わないように動き方を教えてくれたりもする。

イスラエル軍が報道陣に向けて砲撃したところ、破片が近くにいた少年に当たった。=12日、西岸ジェニン 撮影:田中龍作=

 こんなことがあった―

 カランディア難民キャンプ沿いの幹線道路で田中はイスラエル軍から「Palestinian go away」と言って手榴弾を投げつけられた。田中がPRESSゼッケンを指さしながら「ジャーナリストだ。ジャーナリストだ」と叫んでいたにもかかわらずだ。

 イスラエル軍は田中をパレスチナ人記者と思ったようだ。幹線道路が渋滞している最中だった。衆人環視でなかったら田中は撃ち殺されていたはずだ。

イスラエル軍はパレスチナ人記者をジャーナリストとして認めていないのである。

 現場を知り抜いているパレスチナ人記者の情報は何ものにも代え難い。ガザから送られてくる写真一枚一枚がイスラエル軍の残虐性を余すところなく伝えている。

 パレスチナ人ジャーナリストの身を守るためにも彼らを孤立させてはならない。日本を含め外国人記者が同じ現場に立つ。それに尽きる。

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