ヨルダン川西岸のジェニンで9歳の少年がイスラエル軍に射殺される事件がありました。
イスラエル軍の攻撃対象エリアの外です。軍事作戦を終えて帰る途中、路上で遊んでいた少年がイスラエル軍の目に留まったのです。石を持っていたわけではありません。
それでもイスラエル軍の兵士はライフルの引金を引いたのです。
少年は頭を撃ち抜かれ、救急車が駆け付けた時、すでに息を引き取っていました。
母親は冷たくなった我が子の手をいつまでも摩(さす)り続けました。11月29日のことです。
世界がガザの惨劇に目を奪われるなか、パレスチナで着々と進む民族浄化の現実です。日本のマスコミは取材にも来ていません。来ていたのはアラブのメディアだけでした。
イスラエル軍の蛮行を余すことなく記録しなければなりませんが、戦場取材には莫大な費用がかかります。
ドライバーの日当は危険手当込みで600ドル(約9万円)です。これにホテル代を含めると平均で1日10万円かかります。
「石にかじりついても」と頑張ってもクレジットカードが止まれば身動きがとれなくなります。
ジャーナリストが現場に入らないことには、イスラエル軍の蛮行が闇に葬られます。田中龍作にパレスチナの惨状を記録させて下さい。
いま起きていることは戦争ではありません。大量虐殺であり民族浄化です。
読者の皆様のご支援がなければ、ガザ入域を待たずして帰国することになります。エスニック・クレンジングもジェノサイドも世に問うことはできません。