【パレスチナ発】ジャーナリスト大量死 ~ガザ攻撃再開初日に1人死亡

ロイター通信といえどもガザで取材するのは地元のパレスチナ人通信員。=30日、ガザボーダー 撮影:田中龍作=

 トルコ国営アナドル通信のガザ通信員Montaser Al-Sawaf氏が1日、イスラエル軍の爆撃で死亡した。

 トルコとイスラエルはガザをめぐって不穏な関係にあった。2010年にはガザへの緊急支援物資を積んだNGOの船がイスラエル軍特殊部隊の急襲を受け、活動家9人が死亡する事件も起きている。

 最近ではトルコのエルドアン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相について「ガザの虐殺者」「世界中の反ユダヤ主義を煽っている」と口を極めて非難している(11月29日)。

 ガザでは今回の戦争で70人のジャーナリストが命を落としている(11月26日まで/パレスチナ・ジャーナリスト連盟まとめ)。死者のほぼすべてがパレスチナ人である。

 パレスチナ人であっても、イスラエルと良好な関係にある欧米のメディアと契約しているジャーナリストはイスラエル軍の攻撃対象から外される。ただし何かの巻き添えを食らった場合はその限りではない。

ガザで死亡したジャーナリスト一覧。=制作:パレスチナ・ジャーナリスト連盟=

 イスラエル軍は携帯電話のガザ住民の電話番号をすべて把握している。実際に住民から聞いた話だが、イスラエル軍は爆撃前に「『お前は●●●だな』と名前を言い当てて電話を掛けてくるのだそうだ」。

 イスラエル軍は、欧米のメディアと契約しているガザ在住のパレスチナ人記者を通信記録から特定できる。彼らが欧米の本社と交信するからだ。名前でも把握しているだろうが。

 だがここに来て同盟国のガザ通信員とて安穏としていられなくなった。妻がトルコ国籍を持ち本人はパレスチナ人のBBC通信員Rushdi Abualouf氏が停戦期間中にガザを脱出したのである。BBCは複数の地元記者を配置しているためガザからの報道はこれまで通り続けられる。

 だがイスラエルに批判的なメディアのガザ通信員は、今後身の安全が保障されなくなるだろう。

  ~終わり~

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最盛期より幾らか安くなったとはいえ、ドライバーへは危険手当も含めて1日600ドル(約9万円)も払わなければなりません。

ホテル代も入れると1日平均10万円を超えるコストになります。毎日取材に出るわけではありませんが、1ヵ月に換算すると途方もない金額になります。

イスラエル軍の銃口よりも借金に怯えながらの取材行です。

ガザに隠れがちですがヨルダン川西岸でも着々と民族浄化が進んでいます。

ジャーナリストがこの世の生き地獄を伝えなければ、エスニック・クレンジングは歴史上なかったことになります。

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