イスラエル軍の攻撃を受け入院患者や避難住民に多数の死者を出したアル・シーファ病院は、病院の敷地を掘って遺体を埋めることにした。トルコ国営アナドル通信とエルサレムポストが伝えた。
遺体は約100体。腐乱し始めていることから埋葬を急がなければならなくなった。
病院自らがマスグレーブを掘ることを決断したのである。イスラエル軍に包囲されていて遺体を持ち出せないためとしている。
イスラエル軍は病院の地下にハマスの司令部とトンネルがあると主張しており、病院への攻撃の手を緩めていない。
イスラムとユダヤ。双方のメディアが同じ内容の記事を伝えた。宗教の違いを超えて人道災害を報じたことになる。
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田中はパレスチナの地に戻ってきた。
二重の借金を背負ってでもガザ取材に再挑戦したのは、1日数時間の「時限停戦」に一筋の光明を見出したからだった。
イスラエル軍がジャーナリストのガザ入域を許可する可能性がわずかにでも出てくれば、それに賭けてみようと思ったのだ。
イスラエル軍がジャーナリストのガザ入域を許可するのは、ハマスを掃討し住民虐殺の証拠を隠滅してから、と見る向きもある。
そうなれば大量のガザ住民が屍となって眠る更地の上に立ち、そこからリポートしなければならない。
2014年戦争で共に死線を潜った地元記者と何としてでも再会したい。
もう一つ大きな気がかりがある。ヨルダン川西岸です。
昨年末、イスラエルに極右政権が登場するとすぐに田中はパレスチナに飛んだ。
西岸で目のあたりにしたのは、毎日、パレスチナ住民の誰かがイスラエル軍に射殺されるという現実だった。少年であったりサッカー選手であったり・・・
今回、イスラエル軍はガザに侵攻すると西岸への攻撃を強化し始めた。西岸自体はガザよりもはるかに広いが、一つひとつの地区は実に小さな街区だ。
イスラエル軍はそこに空爆をかけるのです。日本で言えば「何丁目」に過ぎないエリアに。
ガザのみならず西岸のパレスチナ住民も根こそぎ追い出してしまいたい。殺してしまいたい。民族浄化の思惑が透けて見える。
人類の歴史に刻まれるような大災厄が起きないことを願うのみだが、不幸にして起きてしまった時は、ジャーナリストとして見届け伝えなければならない。