「念のために従来の保険証を持参して」 厚労省が併用を呼びかけ

病院内で完結する診察券カードであればシステムトラブルも誤入力も起きない。情報漏洩とも無縁だ。=30日、都内の病院 撮影:田中龍作=

 厚労省は利用者にマイナカードと共に(従来の)保険証を持参してもらうことを決めた。

 きょう30日、立憲民主党のヒアリングで正式に明らかにした。

 厚労省が提出した書類によると「初めてマイナンバーカードで医療機関を受診する場合や転職等により新しい保険証が交付された場合などは…(中略)念のためにマイナンバーカードとあわせて保険証を持参して頂きたい」。

 厚労省はマイナ保険証と従来の保険証との併用を呼びかけたのである。「転職等」とあるので、無期限と考えてよい。

 厚労省が白旗を掲げたのは、マイナ保険証の相次ぐトラブルである。

 保団連(全国保険医団体連合会)の調査によると―

▼マイナ保険証を運用する医療機関の65・1%がトラブルを経験
▼マイナ保険証のみ持参したため窓口で「10割負担」を徴収  
・・・以上6月13日公表

 マイナ保険証の使用率わずか4.5%でこのありさまである。政府の方針通りマイナ保険証の使用率が100%になったらどうなるだろうか。

 収拾がつかないほどの混乱をきたすだろう。

「国民はマイナ保険証の危険性を感じている」と語る保団連の住江会長(右)。=30日、衆院第16控室 撮影:田中龍作=

 保団連の住江憲勇会長は、厚労省が「念のために従来の保険証を持参して」と従来の保険証との併用を呼びかけたことについて触れ―

 「(従来の)保険証がなければトラブルは未来永劫解決できない。厚労省は語るに落ちた」と喝破した。

 問題は従来の保険証を来年(2024年)秋に廃止するとした「保険法廃止法」との齟齬である。

 立憲民主党は秋の臨時国会に「保険証廃止・延期法案」を議員立法で提出する。

 機微に触れる医療情報を他の情報と共にデータカードに統合しているのはG7で日本だけである。

言語明瞭意味不明。厚労官僚は立て板に水のように話すが、説明は分かりにくい。=30日、衆院第16控室 撮影:田中龍作=

 
     ~終わり~

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