ウエストバンク最北端のジェニン。イスラエル軍が毎晩のように難民キャンプに侵攻して来て銃撃戦になると聞き、田中は最果ての地に赴いた。
イスラエル軍はジェニン難民キャンプを武装勢力の拠点とニラんでいるようだ。
ナブルスやガザと同様に殉教者の写真がそこかしこに貼られている。数えきれないほどの人数だ。皆、キャンプ内でイスラエル軍に射殺されたのである。
5月、アルジャジーラの女性記者シリン・アブアクレさんが、取材中にイスラエル軍から撃たれて死亡する事件があった。
シリンさんは、イスラエル軍がジェニン難民キャンプを急襲してきたため、それを取材していたところを撃たれた。場所はキャンプの入り口(写真)だった。
ジェニン難民キャンプに関してだけは、これまでのフィクサー(通訳兼案内人)とは違って地元の男性がフィクサーを務めることになった。
地元フィクサーは「よそ者が入って来て写真を撮ったりしたら大変なことになる。イスラエルに写真が流れることを警戒してるんだ」と説明する。フィクサー氏からは「ここ(難民キャンプの中)では簡単に写真を撮るなよ」と教育的指導を受けた。
イスラエル軍と住民との双方に厳重な気配りをしながらの取材となりそうだ。
~終わり~