大富豪にして国会議員を4期務め国民栄誉賞を受賞。捜査機関も手を出せなかったゴッドファーザーのような人物が、ウクライナ保安庁(SBU)に拘束された。それもロシア絡みの事件で。
SBUの発表は23日朝。拘束されたのは航空機エンジンメーカー「モトール・シーチ」総裁のブャチスラブ・ボブスラエブ容疑者(83歳)。
SBUによるとブャチスラブ総裁はロシアに攻撃用ヘリのエンジンを違法供与した疑いが持たれている。ヨーロッパ、アラブ、東アジアの第3国を経由してエンジンを供与していた。
供与の期間やエンジンの台数は明らかにされていない。
モトール・シーチ社は1907年創設。ソ連誕生以前からあった名門軍事メーカーである。本社は、ロシアが奪取した原発のあるザポリージャにある。
工場と本社のあるエリアはウクライナ軍の支配地域である。
田中は開戦前にここを訪ねた。路面電車が工場に沿うようにして走っているのだが、とにかく広かった。一国を代表する兵器メーカーだけのことはある。
総裁は1938年、旧ソ連のカザフスタン共和国生まれ。親露派の大物として知られていた。田中の通訳氏は「ザイバツ」と日本語で呼んだ。
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