投票所で渡された鉛筆を握りしめ「福島みずほ」と書いたら目頭が熱くなった。
福島に救われた非正規労働者たちの姿が瞼に浮かんだのである。
福島本人に近ければ近いほど当選が難しいことを知っていた。社民党の選対関係者は「落選確実」とまで明かしてくれた。
ところがマスコミ各社の出口調査は夕方になると福島がかろうじて当選する数字を示していた。
だがあくまでも投票日当日の数字だ。期日前投票の分は含まれていない。開票の結果、期日前で大量得票する自公に議席を吸い取られる。最後まで楽観できなかった。
9日夕、新宿駅東南口での最終演説。陸橋にまで溢れた聴衆を見た時、人々の危機感が本物であることを直感した。
遅い時間(11日未明)になって福島に当確が出た。「みずほ危うし」が杞憂に終わった瞬間だった。
社民党の分裂により組織は半分になった。それでも一票一票が積み重なって、福島を当選に導いたのである。
労働法制の改悪で全労働者の4割が非正規労働者となった。明日をも知れぬ不安定な生活を強いられる労働者は、増えこそすれ減ることはない。
新自由主義の犠牲者たちが、福島を休ませてくれないのである。(文中敬称略)
~終わり~