緊急事態宣言下に飲み歩き、議員辞職に追い込まれた自民党の「銀座3兄弟」が可愛く見える。
杉並区の田中良区長と幹部職員のことである。汚職の臭いさえ漂う不祥事は、緊急事態宣言下の7月14日と15日に起きた。
田中区長と徳嵩淳一・区民生活部長ら幹部は、区の出入り業者と共に、群馬県のゴルフ場に一泊し、酒の入った会食に興じた。これが初日の14日。
翌15日午前、田中区長はゴルフ場を後にしたが、徳嵩区民生活部長ら幹部は、出入り業者と共にゴルフコースを回った。
出入りの業者とは、阿佐ヶ谷地域区民センターの指定管理者に名乗りをあげている造園業者だ。杉並区は業者を選定中だった。徳嵩区民生活部長は区側の選定委員である。
理事者側(区)は議会で共産党議員の追及を受け事実関係を認めた。酒食とゴルフは割り勘だった、という。田中区長は公用車を使用した。
選定対象の業者との酒食やゴルフは、公務員倫理規定に抵触する。杉並区が定めた指定管理者の募集要項は「選定に関わる区職員と業者との接触」を禁じている。
田中良区長らと造園業者の癒着である。
緊急事態宣言下、両者は東京都の自粛要請に反して都県境を跨いで群馬まで出かけた。そして密談にはうってつけの酒食とゴルフ。
どんなやりとりがあったのか。
野党議員は「田中区長は辞職して当然」と語気を強める。追及を本格化させる構えだ。
田中区政は、自公から立憲までのオール与党体制だ。共産党と無所属以外は田中良区長に逆らえない。田中区長の独断専行ぶりが指摘される。
起きるべくして起きた不祥事の暗部は深い。
~終わり~