河井案里元被告の失職に伴う参院広島選挙区の再選挙をめぐって、立憲民主党から出馬が取り沙汰されている郷原信郎弁護士が、「これでは選挙に入れない」と厳しい条件をつけた。田中龍作ジャーナルの取材に答えた。
安倍官邸が肩入れし1億5千万円を投じた大掛かりな買収事件では、河井陣営から首長や議員40人に現金数十万円から200万円が渡されたことが明らかになっている。
票の取りまとめや投票を依頼してカネを渡した方の河井夫妻は逮捕起訴され、妻の案里被告は有罪が確定した。
ところがカネを受け取った首長や議員は誰一人として刑事訴追を受けていない。お咎めなしの状態だ。
郷原氏は田中に「広島地検はそのままにしている。こんな状態で選挙はありえない」と話した。
氏は自らの今後についても触れ「(検察の)刑事処分なくして選挙はありえない」「公正な選挙が行われないのであれば出馬はありえない」と強調した。
「このままでいいのかと野党にも突き付けたい」「同じ土俵に乗ることになる」とも語った。
4月25日、投開票となる参院広島選挙区に、自民党は経産官僚だった西田英範氏を立てる。先月28日に選対本部を発足させたのだが、西田陣営の決起集会にカネを受け取った首長や議員が多数出席していた。
反省はひとかけらもない。禊(みそぎ)も何もあったものではない。
郷原氏は「もし選挙となった場合は、自民党の責任で被買収側(カネをもらった首長や議員)が選挙にかかわらない措置を取ることが不可欠」と厳しく指摘した。
~終わり~
◇
『田中龍作ジャーナル』はマスコミが報道しない視点からニュースを伝えます。読者により支えられています。↓