菅政権による学術会議人事への介入に抗議する菅野完のハンストは丸一週間を超えた。きょう10日午後、初めて医師の診断を受けた。
すっかり痩せた菅野はアバラ骨が浮き出していた。
医師は聴診器で菅野の内臓の音を聴いた。ライトをあてて口腔を見た。血圧を測定した後で採血した。
採血の結果は12日に出る。血圧は最高109、最低76。
診断によれば「血圧は正常だし、脱水症状もない」という。医師は「今のところ大丈夫と思われる」としながらも「月曜日(12日)ぐらいには止めた方がいいかな」とハンスト中止を勧めた。
菅野は医師の勧めに応じる気配を見せなかった。診断を受ける前、田中に語っている―
「安倍晋三じゃないんだから、病名が明確に書かれた診断書が出るまで、俺は(ハンストを)止めない」と。
首相入りで突っ込んだ質問が飛ぶ予算委員会は28日からだ。人事介入問題は世の注目を浴びる。
菅野が「28日まではハンストを続けたい」「28日に死ねたら本望」とする根拠だ。
菅野の気力はまったく衰えていない。日本の民主主義がいま分水嶺に立っている、という危機感からだ。
診断を終えた菅野は風雨のなか官邸前に戻って行った。「続けられるのをアイツら(菅政権)嫌うからな」と言って。(文中敬称略)
~終わり~