黒川弘務検事長と新聞記者との賭け麻雀で驚いてはいけない。これに勝るとも劣らぬほどの癒着は昔からあった。
検察と裁判所は正義の味方である、と大方の国民が信じていた昭和51年頃の事だ。当時の司法クラブ詰め記者が明らかにした。
エリート中のエリートである最高裁事務局の広報担当者A氏と司法記者が、記者クラブで賭け麻雀をしていたというのだ。A氏は後に最高裁長官となった。
雀卓は司法記者クラブの共有スペースに置かれていた。司法記者クラブは現在のように東京地裁・高裁のビルの中ではなかった。地裁・高裁ビルと検察庁の間の敷地に独立した建物としてあった。
A氏は麻雀を打ちながら、注目される裁判の争点などを解説してくれるため、各社の司法記者は喜んで雀卓を囲んだ。最高裁事務局は裁判所の人事を支配するばかりでなく、裁判の方針さえも決める。司法による世論誘導でもあった。
話を明かしてくれた往年の司法記者は、肝心のレートについては語ってくれなかったが、「記者は(カネを賭けない)戯れ麻雀を打ったりしないからね」と不敵に笑った。
司法記者クラブと裁判所のギブ&テイクはこうだ―
裁判所→ 記者クラブ「裁判の行方を解説(世論誘導)」「判決文の提供」「法廷の記者席提供」
記者クラブ→ 裁判所「判決批判はしない」
ちなみに検察担当は司法記者クラブに所属する。新聞テレビが検察批判なんてできるわけないのだ。
時の政権の都合で小沢一郎の失脚を図った陸山会事件では、検察がねつ造も含めてリークし、マスコミが提灯記事を書き立てた。
森ゆうこ議員はその著書『検察の罠』で、黒川氏は「小沢を有罪にできる」と吹聴して回っていたと述べている。
麻雀が取り持つ検察司法と記者クラブの腐れ縁。それは日本の民主主義を根底から歪めるものだった。根は深い。
~終わり~
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