「品切れの心配はありません」。安倍政権の意を汲んだ御用マスコミが写真付きで報道しても、人々は買い占めに走る。
先行きどうなるか分からない不安からだ。
江東区の大手スーパーは午前9時の開店前から長蛇の列ができた。お目当てはトイレットペーパー、ティッシュ、マスクだ。
マスクは100個程度しか用意されておらず、明日以降の入荷も未定だという。店員が人間の鎖を作り、周囲から殺到しないように客を並ばせたが、あっという間に品切れとなった。
トイレットペーパーを買い込んだ中年女性は「特措法のことは知らない。これからどうなるか分からない。不安だ」と言葉少なに立ち去った。
大きなカートにどさっとトイレットペーパーを積み込む男性2人組がいた。会社から命じられたのだろうか。
トイレットペーパーの売り場に張り付いた店員が、「お一人様1個でお願いしております」と呼びかけた。
「ネットでは10個までと書いていたが?」と聞くと、店員は「一昨日までです」。
男性2人組はがっかりして品物を棚に戻した。
トイレットペーパーとキッチンペーパーを買った高齢の男性は「(特措法を)急に言われても困る。TVは(トイレットペーパーが)『ある』と言っても現実にはないじゃないか」と顔をしかめた。花粉症だが、マスクは買えなかった。
トイレットペーパーを買った中年女性に特措法の改正について聞くと即座に「安倍さん、あの人キライ、何をするか分からないからね」という返事が返ってきた。
ティッシュ、トイレットペーパーとも1人1個に制限されていたため、棚が空っぽになるということはなかった。
13日にも予定される特措法改正案の可決成立。集会や移動の自由など基本的人権が制限される恐れが多分にある。都市封鎖だって朝メシ前だろう。物資は入って来なくなる。
人々の不安に拍車がかかっていることは事実だ。買い占めどころではないパニックが起きる恐れがある。
~終わり~
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