警察が国会議員のゴーグルを無理矢理に外し、ペッパースプレーを顔面に吹き付ける…こんな光景を日本で目の当たりにしたら、あなたはどう思うだろうか?
1日、香港の反政府デモで民主派の立法会議員(日本の国会議員に相当)が、この惨劇に遭った。警察が加害者となる暴行傷害事件でもある。
この民主派議員は許智峯氏。同日、銅鑼湾で許議員は、デモ隊の若者を守るため機動隊に抗議したところ、ゴーグルをはね飛ばされ、ペッパースプレーを浴びせられた。
田中はデモ現場で幾度も目撃しているが、許議員は体を張って機動隊から人々を守る。
昨年9月15日の反政府デモの際、逮捕されそうになった夫婦を守ろうと、許議員は機動隊の前に立ちはだかった。警察は公務執行妨害で議員を逮捕した。案の定だった。
香港で市民に寄り添うのは、それこそ命がけだ。日本と違って民主派を張る以上、逮捕覚悟で人々を守らなければならない。
警察による国会議員への暴力行為を日本でも目にしたことがある。ゆえに香港の事件には既視感があった。
2014年7月1日、集団的自衛権の行使が閣議決定された日のことだ。
首相官邸と交差点をはさんで対角線上にある国会議事堂通用門前で事件は起きた。
山本太郎議員(当時)が集団的自衛権に反対する演説を行おうとしたところ、警察に力づくで排除された。
山本議員はじめ数人の市民が警察に押し倒されたり、腕をねじあげられるなどした。山本議員はアスファルトの地面に2度も尻もちをつかされた。
国会議員が、公道上で倒され警察官たちにより通せんぼされている状況は、ツイキャスなどで広く伝えられた。
「警察は暴力で僕たちを排除した。これが安倍政権の姿です」。山本議員は訴えた。
国会議員に演説もさせず、押し倒して、30分間にわたり行く手を阻む。政権の言うことを聞かない者は、国会議員であろうが警察による弾圧の対象となる。
この事件から6年が経つ。警察権力の横暴は年を追うごとに酷くなった。2016年に沖縄であった一斉逮捕は、共謀罪の予行演習だった。
日本も香港同様、法治国家ではない。
人々に寄り添う政治家はいつ逮捕されてもおかしくないのだ。(敬称略)
~終わり~
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