権力と御用マスコミが叩く記者と言論人にFCCJが賞贈る

選考委員と受賞者。日本の権力層と記者クラブメディアにとっては不都合な人々だ。=22日夕、FCCJ 写真:筆者=

選考委員と受賞者。日本の権力層と記者クラブメディアにとっては不都合な人々だ。=22日夕、FCCJ 写真:筆者=

 
 日本外国特派員協会(FCCJ)が設けた「報道の自由推進賞」の受賞式が今夕、行われた。

 賞を贈られたのは、権力やテロと戦いながら真実を伝えたジャーナリストや言論人たちだ。主だった受賞者のコメントを紹介する―

・報道功労賞:ジョン・ミッチェル氏(ジャーナリスト) 

 枯葉剤(エージェント・オレンジ)をはじめ沖縄米軍基地問題を長年にわたり取材してきた。

 「長年にわたり多くの日本の主要メディアは沖縄で続く人権違反を無視してきました。沖縄のよき人々のために真実を伝える取材を続けていきます」。

・報道の自由の友賞:古賀茂明氏(元経産官僚)

 「昨日のニューヨークタイムズに私の意見記事が掲載されました。その記事の最後を私はこう締めくくりました。“安倍政権はジャーナリストを民主主義的ではなく独裁的方法で扱っている”と」。

 「だが、実際はもっとひどい。私はこの重要な賞が日本の主要メディアには掲載されないのではないかと思います。(『東京新聞には掲載されるよ!』と会場から声)」

 「私自身はこの賞を頂いてものすごく勇気づけられました。日本のジャーナリストの皆さん、政府の圧力に対して一緒に戦いましょう」。

月刊誌「FACTA」宮嶋巌編集人。JOCや原子力ムラなど日本のサンクチュアリに切り込んだ報道が評価された。=22日夕、FCCJ 写真:筆者=

月刊誌「FACTA」宮嶋巌編集人。JOCや原子力ムラなど日本のサンクチュアリに切り込んだ報道が評価された。=22日夕、FCCJ 写真:筆者=

・年間最優秀出版賞:東京新聞

 原発、汚職(政治スキャンダル)などの調査報道が評価された。菅沼堅吾編集局長は受賞の弁を次のように語った。

 「ジャーナリズムの世界では、戦争の最初の犠牲者は真実であるという言葉があります。東京新聞は今そういう状況にあるんだという認識の下、記者全員で権力を監視しよう、本当のことを伝えようと頑張っています」。

・報道の自由の友賞:中野晃一氏(上智大学教授・政治学)

 慰安婦問題についての記事で外国人記者が中野教授のコメントを掲載したところ、外務省の在外公館がその新聞社に抗議し、別の専門家に意見を聞くよう言ったことが明らかになった。

 「国内で古賀さんとかにやってきたことを、海外メディアに対してもやってくるようになったんでしょうね。海外展開をしだしている。特に歴史問題に関して、これ以上日本の恥を広めるようなことはしないでほしい。」

 「殉職した英雄賞」は後藤健二氏に贈られたが、主なき受賞となった。

 後藤さんの母親の順子さんはコメントを寄せた。「このような名誉ある賞を受賞できた健二はさぞかし天国で喜んでいると思います・・・(中略)息子は日本政府の不作為によって無念の死を遂げたと言わざるを得ません。政府の猛省を求めます」。

 権力と御用マスコミがこぞって叩く言論人やあえて無視するジャーナリストを、FCCJが高く評価し賞を贈ったのである。

 世界標準と日本標準の乖離には驚くばかりだ。

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