金曜日は敬虔なイスラム教徒がアッラーに祈りを捧げる日だ。15日、ガザ各所のモスクで金曜礼拝が行われた。
ガザには約2千ヵ所ものモスクがある。いずれもイスラム教徒でびっしりと埋まる。金曜礼拝のある午後1時頃から2時頃にかけて、街はひっそりと静まり返るほどだ。
今回のイスラエル軍の爆撃によりガザ自治区全体で、72ヵ所のモスクが全壊し、75ヵ所が半壊した(宗教担当省まとめ)。
粉々に破壊されたガザ市内のイマーム・シャーティー・モスクの傍らには大きなテントが設(しつら)えられていた。
礼拝が始まる午後1時頃には1千人超(ガザ住民のほぼ100%がイスラム教スンニ派)が集まった。
イスラエルの砲撃が続いていた間は、金曜礼拝も中止になっていた。
聖職者がマイクを通して呼びかける―
「神がイスラエルに復讐するだろう」「神がイスラエルを破壊するように祈ろう」……
信仰の場であるモスクがミサイルで破壊される。イスラエル軍侵攻の度に繰り返される光景である。
異教徒の物とはいえ神聖な建造物を破壊するイスラエル軍のエクスキューズは「ハマスの武器が隠されている」だ。
ガザのイスラム教徒はどう受け止めているのだろうか。
「イスラム教に対する戦争だ。我々はストリートでも地面の上でも祈る。誰も祈りを妨げることはできない」。礼拝に訪れていたソヘール・ハダッドさん(50歳)は語った。