国会周辺での市民の抗議を「テロと同じ」とした石破幹事長の発言が、自民党の真意であることを改めて知らされた。
官邸前や議員会館前で抗議活動に参加している市民たち(石破幹事長にテロリスト呼ばわりされた人たち)が発言の撤回と謝罪を求めて今夕、自民党本部を訪れた。文書は弁護士事務所から自民党本部あてにすでに郵送している。
抗議の意志を直接表したいとする約20人が参院会館前に集合。100mほど離れた自民党本部に向かった。しかし手前の交差点でピケを張った警察隊に阻止された。弁護士を含めて5人だけが通過を許された。
天下の公道を整然と歩いているのに警察が通せんぼする根拠はどこにあるのだろうか?
通行を許可された5人とジャーナリストたちが警察官に“ 引率されて ”自民党本部前までたどりついた。
門扉は閉ざしているうえに警備会社のガードマンたちがびっしりと並んで入口を固めた。蟻一匹入れないほどの固いガードだ。
だが石破幹事長はおろか党職員さえも出てこなかった。
あの東電でさえ、抗議や申し入れに行けば社員が出てきて応対する。自民党は有権者の支持によって成り立つ政党、それも与党だ。
「自民党というのは国民の声を聞かなければならない議員たちの集まりのはず。それが警備員しか出て来ない。警備員は自民党の人ではない。国民がナメラレていると思った。職員は出て来ずいるのは警察官と警備員だけ。あの党はファシスト党です」。―門前払いを喰らった浦邊力さん(ミュージシャン・40代)は悔しがった。
「プロジェクト99%」の安部芳裕・代表も門前払いされた一人だ。「彼らは意見を聞く気持ちもない。この政権に何を言ってもダメだ、と思った」。
官邸前・見守り弁護団の神原元弁護士は「(抗議に参加している市民の)正当性と名誉は傷つけられたまま」と話す。
国民の声には一切耳を傾けず、国民が声をあげて政権批判をするとテロリストとなる。政権党本部前で展開したのは、独裁国家の到来を予感させるような光景だった。