参院選はいよいよあさって(21日)、投開票となるが、どの報道機関も「自民党圧勝」を予想している。筆者は東京選挙区から立っている2人の候補者の街頭演説を見て来た―
1人はトップ当選が噂される丸川珠代候補(現職議員/元テレビ朝日アナウンサー)、もう一人は武見敬三候補(現職議員/『たけしのTVタックル』でもおなじみ)。
2人とも知名度があるにもかかわらず、現状は写真の通りだ。2人の演説会場は人通りの多いJRの駅頭だったが、聴衆はまばら。「これで圧勝?」 我が目を疑うとはこのことだった。
武見候補の現場を取材したのは、1回目が18日午後3時45分頃、JR大森駅東口。聴衆は3人。(内訳:2人は自民党員、1人は武見候補の幼稚園時代からの同窓生)
2回目が同日午後5時15分頃、JR五反田駅東口。ここでも聴衆は3人という淋しさだ。(内訳:2人は自民党員、1人は根っからの自民党ファン)
丸川候補の現場を取材したのは、きょう午後2時頃と3時頃。JR蒲田駅の西口と東口だ。武見候補よりわずかに聴衆は多い。それでも10本の指で数えられる範囲だ。ほとんどは自民党員か、選挙は自民党しか入れない人たちだ。
自民党のお家芸は、後援会をベースに業界や会社をあげての「ぐるみ選挙」だった。大規模動員も朝メシ前。街頭演説の会場に行けば、後援会や党支部が人を「寄せて」いたのだが。
武見候補は父親(元日本医師会会長の故武見太郎氏)の医師会人脈で長崎大学医学部・客員教授から原発事故後、福島県立医科大学・客員教授に就任していた。麻生太郎副総理の閨閥に連なる。
丸川候補は『派遣会社』の新聞広告に出演、厚生労働政務官にふさわしくないとして6月25日、参院厚生労働委員会で問責決議が可決された人物である。
武見氏は原発事故処理で、丸川氏は非正規労働問題で業界に寄り添う。
「1%のために99%は一顧だにしない政治」。2人が圧勝すればこれに御墨付きが与えられることになる。