生活の党はきょう、憲政記念館(千代田区)で2013年度の定期大会を開いた。総選挙をはさんで「国民の生活が第一」→「日本未来の党」→「生活の党」と変わったので、「出直し結党大会」とも言える。
大会冒頭、森ゆうこ代表が辞意を表明し、小沢一郎氏を新代表に選出した。小沢新代表はさっそく就任のスピーチをした(要約)――
自分でいいのだろうか、と問いかけてきた。総選挙で多くの仲間、同志を失ってしまった。心から強い責任を感じている。
「表に立て」、「先頭に立て」と言われるが、自分が先頭に立てば必ず意図的な批判、誹謗中傷にさらされる。(代表を引き受けると)決意したからには私の力の及ぶ限り、全力で国民のために頑張って行きたい。
政党の命は政策。日本の風土の中では論理的政策が結果になっていない。われわれの信念に基づいた政策、大義を掲げていかなければならない。国民の皆様に約束した原点に戻れば、政策はおのずと見えてくる。生命とくらしを守っていくことを前提として政策を改めて訴えていきたい。
半年後に行われる参院選は本当に日本の将来を左右する選挙。自公と自公に連なる勢力が(総選挙と)同じような結果になるとやりたい放題の政治が行われる可能性が本当に強い。日本の将来が危うい。リーダーの理念や論理が感じられない。
国防軍だとか自衛隊の海外派兵が、どういう意味かメディアでも議論なされない。
小さい所帯になってしまったが、心を新たにしてもう一度「国民の生活が第一」という理念にのっとった政権をもう一度打ち立てたい。
森ゆうこ前代表が「脱原発」「安心・安全の社会確立」「地域主権」など6分野からなる基本政策を提案し採択された。具体的には次のような政策項目がある―
・深刻なデフレ不況下での消費税増税は、中小・零細企業の相次ぐ倒産、国民生活の破たんを招くことから、消費税増税法をただちに廃止し、増税を凍結する。
・非正規労働者の正規労働者化を促し、実質終身雇用のための環境を整備する。
・行政の権限と財源は地方に大胆に移し、地域が主役の社会を実現する。国の補助金と政策経費は原則、自主財源として地方に交付する(一括交付金)。
09年の総選挙で上記の「増税はしない」「雇用の安定」「地方分権」は国民に支持され、民主党は政権を獲得した。ところが何ひとつ実現せず、消費税増税という裏切りまでやってしまった。小沢新代表が言う「もう一度政権交代の原点に立ち帰って」の意義がここにある。
国民生活を二の次にし、国防軍だの増税だのを掲げる政権党が脚光を浴びる。最大野党の民主党は自民党との差異を見つけるのに苦労するありさまだ。
生活の党に所属する参院議員は8名。うち6名は今夏(7月)に改選を迎える。「国民の生活が第一」、正論を説き続ける党の生き残りがかかる。