「東日本大震災」被災地の統一地方選挙が延期されることが特例法で決まった。問題はそれ以外の地域だ。みんなの党は「全国一律延期」を求めており、西岡敏夫参院議長もそれを支持している。政界の外でも全国一律の延期を求める声は少なからずある。
賛否両論別れるところだが、東京都知事選挙の候補者用ポスター看板が18日、お目見えした(写真・上段)。都知事選は3月24日告示、4月10日投票だ。来週後半には選挙戦の火蓋が切られることになる。
果たして有権者の関心は選挙に向かうだろうか。日本がかつて経験したことのない大災害に見舞われたのである。被災していなくても、この先自分の生活はどうなるか分からない。多くは不安を抱えている。
福島原発の事故処理は後手に回り、政府と東電の情報開示も透明性を欠く。放射能被害を恐れて日本脱出を考える人も少なくないようだ。有楽町の東京都パスポートセンターには長蛇の列ができていた(写真・下段)。入場整理にあたる職員は「日頃の倍、15日から混むようになった」と汗だくだ。
「お母さん、今日はパスポート取れないよ。3時間半待ちだって」。ミニスカートにブーツ姿の女性は携帯電話に向かって悲鳴をあげていた。
「大地震・津波」「原発事故」。有権者は大きな不安に心を領されている。「新銀行東京」の失政、批判の多い「築地移転」を争点にしてほしくない石原氏は自らの強みと豪語する危機管理を全面に掲げて選挙戦を繰り広げることだろう。「震災からの復興」「災害に強い都市作り」・・・喧しいフレーズが耳鳴りになりそうだ。
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