市民デモ 「検察とマスコミの横暴を許すな」

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「記者クラブ解体」のゼッケンを付けているのは普通の主婦だ。マスコミ不信の高まりを示している。(24日、銀座・水谷橋公園。写真:筆者撮影)

 「24日に検察・検審を糾弾するデモを行います」―知人の市民運動家がツイッターで報せてくれたので、集合場所の銀座・水谷橋公園に自転車を走らせた。
 銀座のド真ん中にある狭い公園はデモ参加者で溢れんばかりなのだが、「自分は別の集会場所に来たのか?」と一瞬頭が混乱した。マスコミを批判する夥しい数のゼッケンやプラカードが目に飛び込んできたからだ。「記者クラブを解体せよ」「脚色・捏造報道の裏に官房機密費あり」「世論調査という名の世論操作」・・・。
 ゼッケンをつけプラカードを手にした参加者たちに話を聞くと、筆者が間違った会場に来たのではないことがわかった――

 横須賀市から来たという女性(60代)は「検察は公正じゃない。(マスコミは)本当のことを報せていない」。女性は70年安保以来のデモ参加という。「あの時と同じくらい民主主義への危機感を覚える」と口元を引き締めた。
 参加者は口を揃えるように「マスコミは真実を伝えていない。検察、検審、マスコミは一体だ」と話す。主義主張を同じくする一つの組織ではない人たちが、これほどまでに共通認識を示すのも珍しい。
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参加者は年齢層が比較的高く穏健な人たちが中心だった。それでも「検察と記者クラブはもう許せない」。(数寄屋橋交差点手前。写真:筆者撮影)

 日比谷公園までを行進するデモには、ブログやツイッターを見て全国各地から駆けつけた約1千人が参加。「取り調べを可視化しろ」「マスコミは真実を報道しろ」「検察とマスコミの横暴を許さないぞ」・・・買い物客などで賑わう日曜日の銀座にシュプレヒコールが響いた。
 神戸から夜行バスで今朝、東京に着いたという女性(60代)は次のように話す。「自分は会社を経営しているので帳簿をつけているが、(小沢一郎氏の秘書らが起訴されたような)『記載漏れ』はしょっちゅうある。それでも無理矢理小沢さんを悪人に仕立てた。検察もマスコミも既得権益を守りたい一心なのでしょうね」。
 東京・練馬から足を運んだ男性(71歳)は「60年安保の際にも参加しなかった。デモは今回が初めてだ」と言う。「世の中が酷いことになっているのにメディアは権力を批判しない」。男性は唸るように話した。デモ参加は40年ぶり、あるいは初めてという人が目立つ。
 情報独占の既得権益を守りたい記者クラブ。検事総長人事の国会承認は何としてでも阻止したい検察。そこに検事たちの手柄意識が加わる。検察とマスコミの利害は「反小沢」でぴたりと一致するのである。
 小沢元民主党代表の資金団体による土地取引をめぐって「小沢はクロ」のリークが洪水のごとく垂れ流された。それは「平均年齢30・9歳(後で33.9歳に訂正)」という検察審査会の若い頭脳に刷り込まれた。その結果の「小沢一郎、強制起訴」である。
 「記者クラブはいい加減にしろ。我々市民はバカじゃないぞ」。デモの実行委員長を務める矢野健一郎さんは、静かな口調のなかにも怒りを込めた。

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