スリランカの少数民族タミル人25万人が閉じ込められたままの「マニックファーム難民キャンプ」は、事実上の強制収用所だ。
政府軍と反政府武装勢力LTTE(タミルタイガー)による内戦の最終局面で住み慣れた所を追われたタミル人をスリランカ政府が囲い込んだ。LTTEの再結集を防ぐため、というのが表向きの理由だ。
下水と上水の区別もない劣悪な衛生事情。病気やケガに苦しんでいても満足に治療を受けられない。キャンプ傍の病院で収容者を診療してきた医師の久留宮隆さんがそれらを告発している。国連や人権団体は「タミル人をただちに帰還させるよう」、スリランカ政府に求めているが、応じる気配はない。
「マニックファーム難民キャンプ」のあるワウニア県は、支配民族シンハラ人居住地域とタミル人居住地域の境にある。洋なしのような形をしたスリランカの北部だ。
内戦が続いていた頃、県境の検問所(写真)をくぐるには、政府軍とLTTEの両方のチェックを受けた。トラックは荷物をすべて降ろさせる。それが2度だ。検問所の通過は一日仕事だった。タミル人地域に生活物資が満足に行き渡らないのも当然だった。
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難民キャンプ収容者の治療にあたってきた久留宮隆医師の告発
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