【香港発】デモ隊少女全裸殺人 闇に葬る警察と親中新聞

香港市民は陳彦霖さんの遺影を手に真相究明デモに参加した。=18日、遮打花園 撮影:田中龍作=

香港市民は陳彦霖さんの遺影を手に真相究明デモに参加した。=18日、遮打花園 撮影:田中龍作=

 詩織さん事件を思い出してほしい。警察が不自然な動きをし、追及されると力づくで隠す。暗黒国家・独裁国家の特徴だ。

 反政府デモの常連参加者だった陳彦霖さん(15歳・デザイン専門学校生)の全裸死体が、9月22日、学校近くの海岸に浮かんだ。陳さんが連絡を絶ってから、3日後のことである。

 陳さんは水泳選手だ。

 警察が、死体は陳さんであることを正式に認めたのが10月9日。死体発見から17日も経ってからだ。

 だが、その後の動きは恐ろしく速かった。

 翌10日、陳さんの火葬。香港警察は事件性が疑われる不審死の場合、数ヵ月は死体を保存していた。

 翌11日、警察は「容疑者はいない(事件性はない)」と発表。

 14日、学校がCCTV(監視カメラ)の映像を公開。

 映像は陳さんが乗ったエレベーターのドアが開いたところで終わる。だがドアの外側には警察官の棍棒が。(映像は改ざんされていて、陳さんではなく、よく似た女性との説もある)。

警察が突如現れて警告幕を掲げた。会場はブーイングの嵐となった。=18日、遮打花園 撮影:田中龍作=

警察が突如現れて警告幕を掲げた。会場はブーイングの嵐となった。=18日、遮打花園 撮影:田中龍作=

 だが、最後のワンカット・・・開いたドアの外側に警察官の棍棒が写っていたのが、香港市民の警察不信にまたもや火を着けた。

 陳さんがデモ隊だったことも、警察への不信を掻き立てた。

 世論は騒然となった。すると警察はこの日の夜、学校のCCTV映像やパソコンを押収した。

 映像証拠は闇に葬られた。

 収まらないのは香港市民だ。日本と違って権力犯罪には厳しい。

 香港の5ヵ所で事件の真相究明を求めるデモが18日、あった。

 遮打花園に数百人が集合していると、警察が駆け付けてきて警告幕を掲げた。参加者のマスク着用を「違法」と警告したのだが、ホントの狙いは別だ。全裸殺人事件をよほど追及されたくないのだろう。

 デモ集会の向こうを張ったのが御用マスコミだ。18日の親中華字紙は、陳さんの死を自殺と断定する記事を一面トップに掲載した。

 水泳選手が海で入水自殺するだろうか? 滑稽過ぎて不気味でさえある。

 警察と御用マスコミの “見事な” コンビネーション。詩織さん事件がウヤムヤにされそうな日本とよく似ている。

ランチアワーを利用してのデモだった。香港の5か所で同時にあった。=18日、中環 撮影:田中龍作=

ランチアワーを利用してのデモだった。香港の5か所で同時にあった。=18日、中環 撮影:田中龍作=

      ~終わり~

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

香港