【香港発】弾圧が戦士を生む 18歳女性「私は闘いの前線に立ちたい」

警察の尋問を受ける青年。マスクをしていただけで疑われた。=3日夜、金鐘駅頭 撮影:田中龍作=

警察の尋問を受ける青年。マスクをしていただけで疑われた。=3日夜、金鐘駅頭 撮影:田中龍作=

 プロテスターたちが中国人民解放軍・駐香港基地にレーザービームを浴びせていた。50mくらい離れた場所からだ。これ自体珍しいことではなかった。

 レーザー照射が始まってから30分ぐらい経った頃だろうか。いきなり機動隊一個小隊が飛び出してきて、プロテスターたちめがけて突進した。

 一目散に逃げるプロテスターたち。現場は政府庁舎と大型商業ビルが混在する地区だ。東京で言えば霞が関と赤坂が一緒になったような地区である。

 警察は捕り逃がしたプロテスターの身柄確保にやっきとなった。最寄り駅である「金鐘駅」の出入り口と構内に機動隊を大量に配置した。田中が視認しただけで8個小隊はいた。

 市民にとっては大迷惑の逮捕劇が始まった。プロテスターのトレードマークであるマスクを着用している人物は悉く、その場で拘束されて尋問されたのである(写真)。

 ある青年はノドを痛めていたためマスクをしていたところ、警察に怪しまれた。ボディチェックされ、どこの何者なのか、どうしてここにいるのかなどを聴取された。

 青年はIDカードを見せた。機動隊員は無線機で警察本部と連絡を取り、IDカードの内容を読み上げた。

 プロテスターでないことが分かると、男性は解放された。

 オヤっと驚いた。IDカードの内容情報を警察本部に照会した結果、青年が解放されたということは、プロテスターのリストが出来ているということだ。

 青年は田中が日本人ジャーナリストであることがわかると、日本語で「(警察は)バ・カ・ヤ・ロ・ウ」と吐き捨てた。

プロテスターに対する警察の弾圧は容赦ない。香港の自由を守るために彼女(後ろ姿)は戦士となることを決意した。=3日夜、金鐘 撮影:田中龍作=

プロテスターに対する警察の弾圧は容赦ない。香港の自由を守るために彼女(後ろ姿)は戦士となることを決意した。=3日夜、金鐘 撮影:田中龍作=

 機動隊がプロテスターを猛追するのを見て、悲鳴をあげて泣きじゃくる女性がいた。大学1年生(18歳)という。

 母親は香港の将来を悲観して米国に移住した。母親は「あなたも来なさい」と彼女を呼んだ。だが彼女は母親の願いを拒否したそうだ。

 理由を聞いた。彼女は涙を拭いながら答えた。

 “ I want to be in front line. I will fight to the end.” 私は(闘いの)前線に立ちたい。そして最後まで戦う。

 弾圧が戦士を産み出したのである。力で押さえつければ、押さえつけるほど戦士は増える。

    ~終わり~

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