昨年7月、安倍首相が豪雨に見舞われた倉敷市の避難所を訪問した。大雨のさなか酒盛りをしていた、として世の批判を浴びた「自民赤坂亭」から6日後のことだった。
作り笑いで被災者に労いの言葉をかける首相。マスコミは首相が、いかにも被災者たちを慰問しているように写していた。それは正面からのアップのみ。
背後に回り、やや引いた場所から見ると、真相が丸わかりだった。官邸が「絵を作り」記者クラブが、忠実に仕事をこなした・・・新聞の読者、テレビの視聴者は、ものの見事に騙されているのだ。
当時の現場のもようは、拙稿『【倉敷・真備町発】安倍首相、被災地訪問 赤坂自民亭に避難住民「頭に来るなあ」』(昨年7月11日付)で、御覧頂きたい。
記者クラブと官邸が結託したヤラセ報道を「可視化」した拙稿が、2019年度の自由報道協会賞を受賞した。
マスコミが検察のリークを垂れ流し冤罪に加担する。最近の大きな冤罪事件としては「陸山会事件」(2004~2012年)がある。
権力のお先棒を担ぐ記者クラブの強力なアンチテーゼとして、2011年に発足したのが自由報道協会だった。
権力監視がジャーナリズムの役割と心得る田中龍作にとって、自由報道協会賞の受賞はこのうえなく光栄である。
~終わり~