ガザ最北部はイスラエルとの国境沿いの町、ベイト・ラフィーヤ。イスラエル軍の猛爆撃を浴び、町はゴーストタウンとなっている。
爆弾が雨あられと降り注ぐ町に今なお留まっている人たちが、ごくまれにいる。ファルク・ダワスさん(64歳)一家だ。妻と8人の子供と暮らす。
イスラエル軍からは幾度も「この地区から出て行け」と警告された。警告後、間もなく爆撃があることは言うまでもない。ベイト・ラフィーヤの惨状を見れば明らかだ。
イスラエル軍は携帯電話にアラビア語でかけてくる。「3日前にもかかってきた」。ダワスさんは平然と話す。
子どもたちは爆撃があるたびに驚いて飛び上る。食事を続けることができなくなる、という。
「警告が地区に対してのものなので避難しない。だがこの家に対して警告があれば避難する。子供がいるから」。ダワスさんは親心をのぞかせた。
「こんな危険な町からどうして出て行かないのか?」筆者は率直に聞いた。
「私はここで生まれた。ここで死ぬ」。ダワスさんは表情ひとつ変えないで淡々と話した。
「ドーン」「ドーン」。インタビュー中も途切れることなくミサイルの着弾音がした。
◇
読者の皆様。田中はカードをこすりまくってガザに来ております。借金です。ご支援よろしくお願い致します。