通常国会初日のきょう、全国各地で特定秘密保護法に反対する抗議行動が行われた。国会前では人々が議事堂を包囲した。(主催:秘密保護法廃止へ!実行委員会)
国会包囲のヒューマンチェーンは午後1時30分と2時の2回予定されていた。議事堂正門前で “事件”は起きた。
第1回目。参加者は横断歩道を渡り、手をつなごうとした。ところが警察隊がそれを遮った。力づくで横断歩道上に立ち止まらせないようにしたのである。このためヒューマンチェーンはつながらなかった。
立ち止まらせなかった理由を聞くと、警察官からは「手をつなぐと転倒の危険があるから」と珍妙な答えが返ってきた。
その後警察は青信号であるにもかかわらず、ただ歩いて渡ることもバリケードを置いて阻止した。
「青にもかかわらず横断歩道を渡らせない法的根拠は何か?」筆者は現場の指揮官とおぼしき警察官に再び聞いた。
「普通に渡って頂けるものと思っていたんですけど…」指揮官は釈明した。
30分が経過し2時となった。参加者が猛抗議した甲斐あってか、2回目は横断歩道上に立ち止まることはできた。だが手をつなぐことはできなかった。警官は「手をつながないでください」と繰り返した。ヒューマンチェーンは警察により断ち切られたのである。
きょうは天皇陛下の臨席もあって警備が厳しかったのかもしれないが、人々が青信号の間、手をつないだからといって警備に支障が出るものではあるまい。
ウクライナではデモ規制法が先週発効し、首都キエフで民衆と警察の衝突が激化している。民衆側に死者が出たとBBCが伝えた。
緊張が高まるなか氷点下に素っ裸にされ警察官に殴る蹴るの暴行を受けている男性の映像が公開された。ウクライナ警察当局は「映像が誤って流出した」と説明しているが、みせしめ と解釈した方が妥当だ。
日本は政権党の幹事長がデモ・集会への参加者をテロリスト呼ばわりする国だ。社会秩序の維持と称して政府が警察を出動させ、デモを武力鎮圧するような事態が起きても不思議ではない。
ウクライナで起きていることは対岸の火事ではないのだ。議事堂正門前の “事件” が、予兆でないことを祈るのみだ。
『壊憲クーデター』と書いたプラカードを掲げる男性(60代・年金生活者)は「法律的な手続きがないままの改憲はアベのクーデターだ」と憤る。
特定秘密保護法については「廃止に向けた大衆行動。皆で集まって騒ぐしかない」と話した。
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