
ラサール石井氏と福島みずほ党首。=30日午後、参院会館 撮影:田中龍作=
断崖絶壁に立つ社民党に救世主が現れた。
俳優のラサール石井氏(69歳)が、今週木曜日に公示される参院選挙の全国比例に同党から出馬する。
氏は脚本家、コラムニストなどをこなす知性派のマルチタレントとして知られる。TBSのニュース番組にコメンテーターとして出演していた時期もある(2004~2006年)。
石井氏はきょう30日、参院会館で記者会見を開いた。福島みずほ党首も同席した。
社民党は、国会議員が3人しかおらず、昨秋の衆院選挙で党としての得票が有効得票総数の2%に届かなかった。
今度の参院選挙でも2%を下回れば公選法上「国政政党」ではなくなる。
とはいえ現在のところは国政政党なのである。にもかかわらず、日本記者クラブからは選挙前恒例の党首討論に呼ばれなかった。
社民党を弾いた日本記者クラブの暗愚ぶりがあらためて明らかになった。

知性派タレントの出馬とあって大勢の報道陣が詰めかけた。=30日午後、参院会館 撮影:田中龍作=
石井氏は現在の酷い政治状況をあげ「黙っているのは止めた。声をあげることにした」と国会挑戦の動機を語った。
「政府に批判的なことを言うと投獄される時代が来ると思っている」。政治への強い危機感が出馬を決意させた。
社民党を選んだ理由を聞くと「小さな声を拾いあげることができる」「福島瑞穂さんの個人的な魅力」と答えた。
「消費税は廃止。保険料は半分。貯金くらいさせてくれよ」…社民党候補らしくとことん庶民目線だ。
知性があってネームバリューのある石井氏は、社民党の選挙に上昇気流をもたらすことになるだろう。
「妻があなたの違った面も見てみたいと言って背中を押してくれた」と目を細めた。
~終わり~
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